勉強会&活動報告

 

この後の続き(「2003年7月14日〜16日文教常任委員会視察」以降)は、『活動日誌』のページ をご覧下さい。

 

2003年

7月14日〜16日、議会の「文教常任委員会」で、他都市の視察に行ってまいりました。

川沿いの原爆ドーム
桜の宮小学校の「校庭の芝生化」


神戸市 「小学校高学年における教科担任制の導入について」
      「校庭の芝生化について」
倉敷市 「学校園ネットワークシステムの導入による事務の効率化について」
広島市 「特色ある学校教育(小中連携教育、中高一貫教育の取り組み)について」
      「公共施設と合築した学校改築の事例について」

今回の視察は、神戸市と広島市が政令指定都市だったので、学校数や人口規模など、世田谷区としても参考にしやすいものでした。

特に私が感じたのは、小学校高学年における「体育」の教科担任制の必要性です。小学生の内に専門的に習っておけば簡単にできること(例えば、鉄棒の逆上がりやマット運動、跳び箱など)が、体育の苦手な担任の授業しか受けられないと、「体育は苦手」「体育は嫌い」という子どもが出来上がってしまいます。中学生になると、体も大きく(重く)なったり、羞恥心が先立ってしまったりで、専門の教師の授業を受けても、なかなか体育が好きになれない、得意になれない、ということがあるのです。


私はそういう子どもたちに「運動ができることの喜びを伝えたい」という想いで、中学校の教師時代、丁寧に授業に取り組んでいました。生徒たちから「逆上がりなんか一生できないと思っていた」とか、「倒立前転ができるようになるなんて思わなかった」という声を聞くたびに、「もっと早く教えてもらっていればずっと楽にできるようになるのに」と思っていたものです。世田谷区の公立小学校においても、すでに教科担任制を一部取り入れている学校もありますが、さらに工夫をこらして、子どもたちにとって学習効果が上がるようなものにしていってほしいと思います。

また、昨今話題になっている「校庭の芝生化」ですが、今回訪れた神戸市の桜の宮小学校は、校庭の一部を芝生化しているというものでした。養生期間の2-3ヶ月は踏み込んではいけないけれども、その後は手入れに手間もかからずどんどん入って行って大丈夫、ということで、杉並区の例とはずいぶん違う印象を受けました。今後は杉並区の学校も視察に行き、研究を進めたいと思います。



月28日(土)「自治体学会 関東フォーラム 2003 in 横須賀」に会派メンバー全員で参加


@全体会 『小栗上野介で語る“開国史150年と100年後の自治体”』
 パネリスト 村上泰賢(小栗上野介顕彰会)
          山本詔一(横須賀開国史研究会・会長)
          新藤宗幸(自治体学会代表運営委員)

 徳川幕府最後の勘定奉行・小栗上野介が、極端な財政難かつ政治的混乱の中にあって、世界の中の日本を考え、現代の工業化の基礎を築いたという話と 明治以来第三の変革期といわれる今日、100年後を見据えた仕事こそが自治体に求められるのではないか、という観点でのパネルディスカッション。

A分科会 『元気な自治体議会』に参加
 コーディネーター 宮崎伸光(法政大学教授)
 報告 自治体学会員を中心とした各地の自治体議員

 昨年、世田谷区議会では議員の提案で「議会改革研究会」が立ち上げられ、議員定数の削減、委員会室の配置換え(議員同士が議論しやすい席順に変更)、議場における質問残留時間の掲示(時計の設置)等々、いくつかの改革が進められました。私の所属する会派「せたがや政策会議」では、議会の活性化を図るためにはまだまだ多くの課題が残されている、と考え、現在『地方自治法』を読み進めながら、「本来の議会とは何か?」を勉強し、「議会改革」に取り組んでおります。

今回訪れた横須賀市においても、先進的な取り組みが進められています。横須賀市では、まず、「議会改革に必要な項目」として120以上の項目が出されたそうですが、それを「すぐできること」「予算が必要なこと」「中期的」「長期的」な課題として4つに分け、できるものから対応しているということです。世田谷区議会においても、いかに議会を活性化させれば良いか、いかに議員がしっかり仕事をする体制を整えるか、について、今後、議論する場を作らなくてはならないと考え、場の設定を提案しているところです。そして、横須賀市と同じように、まず各会派から「改革に必要な項目」を今月末までに提出することになっています。今後も、議会が本来の力を十分に発揮できるような改革を進めてまいります。

 ※今回も、会派メンバー4人(全員)で、研究会に参加しました。研究会終了後、横須賀市内を車で回り、立ち寄ったラーメン屋さんがとてもおいしくて「土曜日の休日を返上してまで出席した研究会だったけれど、来た甲斐があったね!」と、メンバー全員、得した気分で帰ってまいりました。

会派での視察や勉強会、研究会を積極的に行なっていくことも、議会活性化の戦術のひとつだと思います。会派の「政調会長」という役割を担っている私としては、今後も様々な視察・勉強を企画していきたいと思っております。皆様方からもアイディアがありましたら、ぜひご意見をお願い致します。


 

5月22日(木)「自治体総合フェア2003」に会派メンバー全員で参加

    主催:社団法人日本経営教会

東京ビッグサイトで3日間に渡る大きなフェアでした。

 

 


5月17日(土)「薬害HIV訴訟に学ぶ・当事者運動のあり方」に参加
    
    主催:GID性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会
    メインスピーカー:家西悟衆議院議員

薬害HIV訴訟は1996年に和解が成立していますが、それに至るまでには、当事者へのいわれのない差別、偏見、プライバシーの問題、等々、苦難が続いていたということでした。このフォーラムの主催者であるGIDメンバーの方々も同じように、現在社会の中で、差別や偏見、プライバシーの問題等々に直面しながら、戸籍の性別訂正、各種書類の性別記載の削除、等々に取り組んでいらっしゃいます。これらのことを「人権問題」として、どんな人も生きやすい社会の実現を目指して、区議会の中でできることは進めていかなければ、と改めて感じました。

 

 

5月15日(木)「東京外環道・青梅街道インターチェンジに関する意見聴取会」に参加
    
    主催:杉並区

 


1月25日「茨城県笠間市・最終処分場建設予定地・ふじみ湖」を視察

「茨城県笠間市・最終処分場建設予定地・ふじみ湖」を視察

 青く透明な湧水のふじみ湖。湿地帯も形成され、オゼイトトンボ、ハッチョウトンボ、タガメ、ゲンジボタル、オオタカ、ハイタカなど、貴重な生物が生息するこの地が、産廃施設の建設によってその豊かな自然が破壊されようとしています。マスコミや国会でもとりあげられ、問題点が指摘されていますが、すでに水が抜かれてしまった痛々しい姿のふじみ湖を、周辺住民の方々のお話を伺いながら視察しました。

 「まだ間に合う!」と希望を持って、ふじみ湖の自然環境をとり戻したい、と頑張っていらっしゃる皆さんに心からエールを送り、私たちに何ができるのか?ということを真剣に考えなければならないと思いました。

 豊かさと便利さを追求してきた私たちは、今、ごみの処理、という大きな問題を突きつけられています。ただ処分場を増やせばいい、という短絡的な発想ではなく、根本的にごみを出さないような経済活動に切りかえなければならない!ということを強く感じました。 どんな経済活動も財政再建も環境の視点をもって取り組まなければ何も解決できない、と、環境政党「みどりの会議」代表委員の中村敦夫参議院議員は常日頃から訴えています。今回の現場視察は大変勉強になりました。

 


2002年

 

 

12/15(日)講演会「おしえて、いまどきの子育て〜育児革命!?ベビーサインって・・・〜」


 

主催:武蔵野市社会福祉協議会 講師:直江千恵子さん(世田谷区上北沢児童館指導員)


今、新聞、雑誌、テレビなどで話題になっている「ベビーサイン」、皆さんはご存知ですか?まだ話せない赤ちゃんと、身振り、手振りで話すこと、その時に使うジェスチャーをベビーサインと言います。アメリカ・カリフォルニア州を中心に保育園や家庭で乳幼児のコミュニケーション手段として注目を集めているということです。世田谷区では、上北沢児童館の指導員の直江さんがこの手法を習得して、実際に活用されています。今日はその直江さんが講師となっての講演会でした。

ベビーサインは決して「早期教育」ではありません!母親が赤ちゃんにサインを覚えこませるのではなく、赤ちゃんが体全体で表現しているサインを感じ取ることが何より大切だとされています。そして、大人の側も赤ちゃんに身振り手振りで語りかけていくこと(わらべ歌などを使ってもいいですね)で、赤ちゃんと親のコミュニケーションがスムーズにいくようになると、子育てが楽に、楽しくなる、ということです。

世田谷区でもお父さんたちの育児参加を含め、このような手法を多くの人が学び、積極的に乳児と楽しく関われるようにしていけたら、と思いました。
この「ベビーサイン教育」での国内の第一人者、直江千恵子さんの本が2003年1月下旬に出版されるそうです。
『世界一やさしい「ベビーサイン」のおしえかた』 ブックマン社 1900円(CDつき)


 

 

9月10日(火) 楽しく実践、生ごみリサイクル

    講師:松島ミス子さん(ごみを減らす会)

地球環境からごみ問題を考える、という話から、「アスカマン」や「ごみ消しくん」を使った生ゴミ減量&リサイクルの実践の紹介まで。大変勉強になるミニフォーラムでした。参加者の皆さんも早速家でもやってみよう!と、アスカマン、ごみ消しくんを申しんだ方が何名もいらっしゃいました。 

「アスカマン」とは?

古草菌が8種類含まれている嫌気性菌。窒素がなければ生きられないので、生ゴミの中でも野菜くずが大好き。庭の草、剪定枝、落ち葉も分解して土に戻します。アスカマンでできた土は、花も野菜も元気に育てます。土があればとても簡単!水切りの必要もなし。ただ穴を掘って、生ゴミを入れ、アスカマンをふりかけて土をかけるだけ。夏場は1週間で土になります。(半年分ぐらいの量で、消費税込み1030円)

「ごみ消しくん」とは?

古草菌の仲間で好気性菌。酸素が必要。たんぱく質、油脂が大好きなので、揚げ物のかすや肉の脂身はあっという間に(水と炭酸ガスに)分解して消し去ります。お茶がら、コーヒーかすなど、毎日出るものを入れて分解するだけでもゴミ減量に貢献できます。土がなくてもOK。段ボールやバケツにごみ消しくんセット(菌・おがくず・ぬか)を入れておき、生ごみを入れるたびに毎日かき回して空気にたっぷり触れるようにします。マンション暮らしの私もこれを実践しています。(セットで2000円)

興味のある方はぜひ試してみて下さい!

お問い合わせ・申し込み先 → 松島さん(03-3302-3770)、増子さん(090-2434-0573)


 

9月4日(水)「ワークシェアリングはどのように可能か 〜雇用の分断から分配へ〜」

講師:竹信三恵子さん(朝日新聞記者)

日本で言われている「ワークシェアリング」はどこか違うのではないか?と思っていたことがこの勉強会ですっきりとわかりました。
いわゆる「日本のワークシェアリングは経営者側に有利な都合で仕事が分断されているだけ」ですが、「欧州でのワークシェアリングは働く側に権利があります」。
オランダの例を学び、「同一価値労働・同一賃金」で「社会保障がつく」
ワークシェアリングが日本でも実現したら、男性も女性もペイドワーク(有償労働)とアンペイドワーク(無償労働)がわかちあえて、もっと生活にゆとりができるだろうなぁ、と思います。

「ではこの制度が、雇用にこだわる社会風土の日本で実現できるかどうか?」という質問に対して、「今の若い人たちはそういう考えを持っているはず。NPOでも何でもいいので、一つ実例をつくって“できる”ということが見せられれば広がっていくのではないか」ということでした。
実態があれば法律も変えられるでしょう。これからは男性一人の片働きで妻子を養っていく、という時代ではありません。日本でもぜひ男女共同参画社会の視点で「雇用の分断ではなく雇用の分配につながるワークシェアリング」が実現されれば、と願っています。
講師の竹信さんのパワフルなお話でとても有意義な勉強会となりました。

 


7月27日(土)「住基ネットワークシステムの問題点」

主催:みどりの会議事務局  講師:だい宏士さん(毎日新聞記者)

 『個人情報保護法』を制定してから住民基本台帳ネットワークシステムを稼動させる、ということが付帯決議されているにもかかわらず、その条件が整備されないまま8月5日から一次稼動させることは法律違反である。政府自ら『凍結法案』を出すべきである。・・・・というお話を伺い、もっともである、と思いました。


住基ネットは、勉強すればするほど、国民総背番号制(国が登録番号で国民の個人情報を管理統制する制度)への第一歩のようで恐ろしいものを感じます。
生活者ネットワークでは7月23日に、民主党・無所属クラブ、社民党の三会派合同で、区に対して「個人情報保護法が制定されるまで住基ネットの稼動を見合わせるべきである。区から国に対して、個人情報保護法を早急に整備するよう申し入れること。世田谷区の個人情報保護条例を住基ネットに対応したものに改正すること」の3点を申し入れました。


区がどういう対応をするかは区長の政治的判断によりますが、すでに60を超える地方議会が8月5日の稼動延期を求める決議をしています。
(東京では、国分寺市、国立市、小金井市、狛江市、杉並区の各市長・区長が延期を要望。)

 また政府は、別の法律(『行政手続オンライン化整備法案』)にもぐりこませて、住基ネットの利用事務を現在の93件から264件に拡大しています。
『改正住基法』では、「安易に住基ネットの利用拡大を図らないこと」ということが付帯決議されているにもかかわらず、です。
これに対しては地方自治体や、全国市長会などから異論が出されています。

 日弁連が全国3241の市町村を対象に行なったアンケート調査(回答率46%)によると、388自治体で、運用試験の際トラブルが発生していました。


こうした現状の中、稼動に対して懐疑派が74%にものぼっています。また、一番の問題点は、公務員に対し、「目的外使用に対して何も罰則がない」ことと「犯歴、病歴、門地(家柄)などのセンシティブ情報の収集制限を設けていない」ことです。
「警察や公安庁、税務当局等が容易に個人のセンシティブ情報を集められ、罰則もない」というのは非常に恐ろしいことです。


国会議員でも与党議員を始め超党派で『凍結法案』を提出しようという動きがありますが、このような一般市民の立場にたった国会議員たちにぜひ頑張ってほしいと思います。そして何よりも大切なことは、国民が興味・関心を持って世論を巻き起こし、国に対して影響を及ぼすようにすることではないかと思います。
このままでは、何年か後には、国民が国に管理統制されるような社会が出来上がってしまうかもしれない、と危惧されます。(2002年7/27現在の状況)


 

6月30日(日) 講演会「変わり行く社会と家族のかたち」

  主催:世田谷文化生活コミュニティ財団  講師:佐藤洋子さん(ジャーナリスト)

「男女共同参画週間イベント」として開催された講演会ですが、今の日本の社会現象を的確にとらえた上での提言があり、大変すばらしい内容でした。聴講者には男性の姿も複数みられました。講演内容の一部を以下にお伝えします。

「男女共同参画社会基本法」が国会で全会派一致で通った背景には、日本の未来にある種の危機感を持ったということがあるのではないかと言われている。

昨年の合計特殊出生率は全国平均1.33、東京都は1.0、世田谷区では0.8、となっている(人口が変わらないためには2.01必要)。これは、意識するしないに関わらず「日本という国は子どもを生みにくい社会だ」と、全国の15歳〜50歳未満の女性が感じている結果であり、日本の様々な経済・社会システムが立ち行かなくなってきている証拠であろう。女性の社会参画が進んでいるにも関わらず、相変わらず家事分担(育児や介護も含む)は男性があまりにやっていない、という状況があり、それに対しての異議申し立てを女性たちが行動で表したということではないか。

また、「結婚しない」若者たちが増えている。30代の男性の4割以上、女性の5割近くが、「結婚しなくても満足のいく生活ができると考えている」ことが、内閣府の調査の結果に出ているが、「結婚の意味と家族の意味」が大きく変化してきている。

こうした問題は、もはや女性問題としてだけでは解決できない。男女が共に手を携えて取り組み、共に生きやすい、支えあえる社会にしていく必要がある。

また、「男女が共に平等に生きる社会とは、女性たちにとってよい面ばかりではなく、厳しい社会になる」ということを、女性たちも覚悟しなければならないだろう。例えば、「非嫡出子(婚姻していないカップルの間に生まれた子ども)の権利が、嫡出子(婚姻している夫婦の間に生まれた子ども)と同じように認められる」、「5年間の別居で、有責者(婚外恋愛等、別居の原因を作った者)の方からでも離婚が申し立てられる」等々のことが、民法改正によって認められる可能性が出ている。

こうしたことをふまえ、これからは、「世帯単位」ではなく、「個人単位」で、一人一人の人間が自立できるような社会保障制度を確立し、性別ではなく一人一人の自立した人間同士が支え合う家族になること、が求められていくのではないか。右肩上がりの高度経済成長の時代は終わった。リストラもあり、経済を一人だけで支えるのは危険な時代。男性だけの長時間労働を女性が何分の一かでも担い、その分、男性も家事や家族的責任を担っていくワークシェアリングの考え方が必要だろう。

男も女も、経済も、家事・育児も、それぞれ自立した個人となるべきである。


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